ヌルヌル値ランキング

こちらの研究結果(皮膚のヌルヌル感に及ぼす温泉水の特性)のヌルヌルするかを求める数式を元に、独自にメタケイ酸、メタホウ酸、水酸化物イオンに電離補正と温度補正を加えて導き出した数値が+1以上の場合、ヌルヌルする温泉水となり、この+の数値が大きいほど、強いヌルヌルを感じる泉質となります。

なお、ヌルヌルしない(マイナス)になった場合はマイナスの数値に関わらず、ヌルヌルしないという結果のみを表わす。但し、本表ではマイナスになった施設(ヌルヌルしない)は掲載しません。
但し、実際に入浴してヌルヌルを感じた場合は特別に記載します。

成分分析表を調査し、ヌルヌル値がプラスであった場合、随時追記します。

実際の計算方法や、ヌルヌル値の求め方などはページ下部に記載しています

自身でヌルヌル値を計算してみた方は計算表(Excel)をダウンロード出来ます
また、『BIZ UDPゴシック』が必要となります。フリーフォントですので合わせてDLしてください

ヌルヌル数値ランキング【Ver:3.12】

新しいVerの切り替えしました(2025/07/15)

表の見方

Googleスプレッドシートを参照しています。
そのため、読み込みに時間がかかる場合がありますがそのままお待ちください。

ヌルヌル値が実際のヌルヌル度となります。
1以上でヌルヌルを感じますが、配合や天候などで1未満でもヌル感がある場合もあります。

スマホ、PCどちらからも確認できますが、PCだと全ての項目が表示されるように調整しているのでPCからの確認がオススメです。スマホの場合は左右スライドに対応しています。
PCはより見やすくするために、1カラムに変更しました。

ver.3.10以降から『東北版』と『全国版』を統合しました。
東北以外の温泉地は『赤文字』で表示しています。

新たに加水や加温による『温度補正』を導入しています。
特に『源泉が高温』で『加水が有』の場合はマイナス補正が強めに出ますので、差が特に大きい場合は『補正なし評価(無補正)』も『青文字』で掲載しています。
冷鉱泉が加温によって補正が強めにかかった場合も同表示します。
※基本的には『黒文字』が正確性があります。

全国版は基本的に『温泉郷の中で一番ヌルヌルしているとされている』施設、または源泉のみを評価してランキングに追加します。そのため、東北版のような同温泉郷でも異なる数値の場合は掲載、などは原則行いません。

過去のバージョン改変は以下の通りです
「◯.◯X」のX部分はフォントや表示形式などの微調整となります。

  • Ver 1.00:論文通りにヌルヌル値を測定 (化学的分析版)
  • Ver 2.00:Ver 1.00の炭酸イオン(CO₃²⁻)をmolに変換する際、「換算当量 17.008」で計算していたものを「モル質量(60.009)」に変更。
    Ver 1.00では、溶け込んだイオンが表記されていた場合のみ反映されていたが、表示されていない場合はメタケイ酸・メタホウ酸を電離補正計算を行って反映。
  • Ver.3.00:「化学的分析モデル」ではなく、「体感的モデル」に変更。
    それに伴い、炭酸イオンを「換算当量 17.008」に再度変更。
    水酸化物イオンも未掲載の場合、自動的に電離補正を追加。
    「加水」があった場合はヌルヌル総量が減るので、温度に合わせて自動的にマイナス補正し、逆に冷鉱泉の場合は加温した際にはヌルヌル感が増すので、プラス補正を追加。
  • Ver.3.10:100℃近い高温泉の場合、自動マイナス補正率が強く出過ぎてしまったので、最低でも70%以上のAeを維持するように変更し、冷鉱泉を加温した際のヌルヌル感のプラス補正がやや強かった(20℃の源泉 → +26.4%上昇)ため、0.012→0.006に変更。

ランキング内の『評価』について

『◎・◯・△・✕』の4段階で評価し、実際に入浴した際に『ヌルヌル値に対する評価』を示します。
投稿主の主観に基づくものなので、時期や時間帯によって大きく異なる可能性があります。
評価は以下の通り。

◯:数値通りのヌルヌル感がある。
△:数値に比べるとヌルヌル感が不足しているが、ヌルヌル感は残っている。
✕:ヌルヌル感は大幅に失われている。元から1.0以下の温泉で実際に感じない。など。ほぼ皆無な場合。
◎:数値以上のヌルヌルを感じる。
―:成分表のみで算出し、実際に入浴していない(未調査)の施設。評価対象外。

ランキング上位の『◯』は『ランキング上位の数値に相違ないヌルヌル感』であり、◎と比べて劣っている表現ではなく、あくまで『ヌルヌル値の実数値に対しての評価』です。

♨ 温泉の「ヌルヌル感」は数値で測れる!

ヌルヌル感(滑感)は、主にアルカリ性イオンの種類・濃度・pH・硬度(Ca+Mg)が影響します。
本ロジックでは、これらをmmol換算・電離率補正・温度補正して数値化します。

有効アルカリ成分(Ae)の構成要素

ヌルヌルするのに必要な成分です。バランスよく含まれていても、いずれかの成分が突出していても、ヌルヌル感は発生します。 また、有効アルカリ成分とありますが、この成分が含まれていれば『中性』でもヌルヌルする温泉はあります。

イオン役割補正係数
OH⁻(水酸化物)強アルカリの主因1
HS⁻(硫化水素)ヌル感に寄与1
CO₃²⁻(炭酸)とろみ感1
HSiO₃⁻(メタケイ酸水素)弱酸性由来のヌル感1
BO₂⁻(メタホウ酸)弱めのヌル感0.18
HCO₃⁻(炭酸水素)中和作用0.10

Ae(有効アルカリ成分)計算式

Ae = 1.0 × [NaOH系(CO₃²⁻)] + 0.18 × [NaBO₂系(BO₂⁻)] + 0.10 × [NaHCO₃系(HCO₃⁻)]
上記の成分に直すと以下の通りです。
Ae = OH⁻ + HS⁻ + CO₃²⁻ + HSiO₃⁻ + 0.18 × BO₂⁻ + 0.10 × HCO₃⁻

メタけい酸・メタホウ酸の電離補正(未掲載時)

メタ〇〇酸は「そのまま」ではヌメヌメの原因にならないので、補正を行います。
とりあえず『メタ〇〇酸』と『メタ〇〇(水素)イオン』は全く別物と考えてください。

メタけい酸の電離率(HSiO₃⁻生成)

  • 目安:pH9.6で約50%がHSiO₃⁻に変化
  • pHが高いほど電離率↑により、ヌルヌル感↑
=MAX(0, (メタけい酸[mg] ÷ 78.10) × (1 ÷ (1 + 10^(9.6 - pH))))

メタホウ酸の電離(BO₂⁻生成)(HSiO₃⁻生成)

メタホウ酸(HBO₂)も、pHが高いと電離してBO₂⁻になります。
HSiO₃⁻ほど強いヌルヌル感は生みませんが、補助的にヌル感を強める効果があります(換算係数は0.18)。

=MAX(0, (メタホウ酸[mg] ÷ 61.83) × (1 ÷ (1 + 10^(9.2 - pH))))

何故、このような電離補正を行うのか?

温泉成分表に「メタけい酸 100mg」と書かれていても、それがヌルヌルの直接原因とは限りません。
pHが高い場合のみ、水中でイオン化(=電離)してHSiO₃⁻になります。

このHSiO₃⁻こそが、皮膚と化学反応し「とろみ・ヌル感」を生み出す主成分なのです。

しかし、殆どの成分表にはイオン化された数値(メタけい酸水素イオン・メタホウ酸イオン)の項目自体がありません。 pHが高い場合はイオン化して一定数存在するとされるため、独自に電離率を計算して判定に加えています。

非電離(メタけい酸・メタホウ酸)の成分がどれだけ豊富でも、pHが低ければ電離せず=ヌルヌルしない
逆に、少量でもpHが高く、電離率が高ければヌルヌル感が強まります

また、同じ理由でヌルヌル値の判定に利用される『OH⁻(水酸化物)』も、pHが上昇するにつれて電離化が進み、少なからず発生します。OH⁻(水酸化物)もpHに合わせて自動的に補正しています。

『メタけい酸水素イオン』の補足

メタけい酸水素イオン(Hydrogen metasilicate ion)
化学式:HSiO₃⁻ 電荷:1-
特徴:中性または弱酸性条件で見られることがあり、中間的な段階のイオン。けい酸の電離段階で生成されます。

→ 中性以下で発見されるのに高アルカリで増えるのは何故か?

HSiO₃⁻ というイオン自体は、中性環境ではそれなりに安定して存在できるため、「見られる」ことはあります。
しかし、中性pHで新たに電離が進むことはありません。電離が進む(発生)するのは高アルカリ時のみです。

なので、高アルカリ源泉・メタけい酸が多量に含まれたヌル泉が浴槽に注がれ、鮮度が劣化して中性寄りにpHが上昇したとしても、イオン化したヌルヌル成分はそのまま存在できることから、ヌルヌル感は大きく減少しないと考えられます。

温度補正(42℃基準)

成分が同じでも、温度が違えばヌルヌル感の体感は変化します。
そのため、源泉温度が低い『加温あり』の場合は『42℃』を基準に±0.6%/℃で補正を加えています。

逆に加水を行うと成分量が希釈されるので、当然ながらヌルヌル成分も減少します。
そのため『加水あり』の場合は、源泉温度から『25℃の水』で『42℃』まで希釈したとした際の成分の減少量を補正しています。
但し、原則的に常に加水を行うことは稀なので、超高温でも最低70%以上のAe(有効アルカリ成分)を維持するようにしています。

条件補正式
加水ありAe × MAX(0.7, 1 - 0.006 × (源泉温度 - 42))
加温ありAe × (1 + 0.006 × (42 - 源泉温度))
両方なし補正なし

この計算方法の問題点

一律 浴槽温度42℃、加水温度(水道水)25℃で計算しています。 そのため、温度が1桁の地下水を利用している場合など、実際の数値は変動します。
また、『源泉を冷却して加水利用している場合』や『そもそも成分表が加水された状態での計測』などの場合は、『補正なし』として扱います。

加温すると何故ヌルヌル感が増す?

冷たい温泉(冷鉱泉)は、そのままだと成分が電離しにくいため、ヌルヌル感が弱い傾向にあります。

  • 加温すると、水中での電離(イオン化)反応が促進されます
  • 特に「メタけい酸(H₂SiO₃)→ HSiO₃⁻」や「H₂O ⇆ H⁺ + OH⁻」のバランスが変化
  • その結果、ヌル感の元となる陰イオン(HSiO₃⁻, OH⁻, CO₃²⁻ など)が増加
加温=「成分の活性化」と考えるとわかりやすいです。

また、加温は基本的に成分に影響を与えないとされています。
但し、ガス成分やラドンは抜けるので、二酸化炭素泉や硫化水素型の硫黄泉、放射能泉は少なからず影響が発生します。

Ae_c(硬度による補正)

カルシウム(Ca²⁺)と、マグネシウム(Mg²⁺)が多いと、その分、ヌルヌル感は失われます。(ヌルヌル感阻害成分) 非常に高アルカリ、豊富なメタけい酸(正しくはメタけい酸水素イオン)が含まれているにもかかわらず、ヌルヌルしない場合は殆どがカルシウムが多い場合となります。

Ca²⁺+Mg²⁺のmmol値に基づいて以下を使用:

硬度比 = Ca+Mg ÷ (Ca+Mg + Ae)

Ae_c = 0.3 × (1 - 硬度比) ÷ (0.55 - 1.55 × 硬度比)

ヌルヌル指数 = Ae ÷ Ae_c

この導き出された数値がランキングの数値となります。

ヌルヌル指数 評価基準

ヌルヌル指数判定肌触り
〜 1.0✖:ヌルヌルしないさらさら
1.0 ~ 2.5△:ややヌルヌル軽いとろみ
2.5 ~ 4.0◯:しっかりヌルヌル滑るような肌触り
4.0 ~ 7.0◎:強いヌルヌルまとわりつく感
7.0 ~ 12.0★:超ヌルヌル濃厚なヌル湯
12.0 以上☆:奇跡のヌルヌルとろとろの極地

まとめ

項目内容
必要データpH、各成分mg値、源泉温度、加水・加温状況
電離補正メタケイ酸・メタホウ酸・水酸化物イオンを未記入であった場合のみ、pHによって自動変換
温度補正加温・加水の有無により動的補正
評価結果ヌルヌル指数とラベル(✖〜☆)を出力

本評価法は、科学的な成分分析に基づく『体感的指標モデル』です。数値が高いほど、確かなヌルヌル感が得られる湯質であることを意味します。

注意事項

  • 本ランキング・数値は当ちゃんねる(ブログ)独自の集計によるもので、必ずしも正しいものではありません。
  • あくまで成分分析表を元に、科学的に検証した内容であるため、成分分析表が古いものであったり、気象条件が悪い中で計測したもの。豪雪地帯で雪解け水が混じるような時期に計測したものなど、様々な条件下によって実際の成分量とは大きく異なる場合があります
  • 本計算は研究結果の時点で約94%当てはまったが、逆に言えば6%当てはまらない場合もあります。(Vor:1.00) 現在利用されているVol:2.00以降のモデルは当ちゃんねる独自の計算要素を入れているので、完全にオリジナルとなりますので、利用・参考の際は予めご理解ください。
  • 本データを引用・参考利用する場合は『東北名湯ちゃんねる(引用元:https://onsen-ch.com)』または『東北名湯ちゃんねる (https://www.youtube.com/@onsen-ch)』と引用元を必ず表記してください。(事前・事後連絡は任意)
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情報提供について

本表をより充実させる為、ヌルヌルしている温泉の『成分分析表』を随時募集しています。
お問い合わせフォーム、または『info@onsen-ch.com』に、『数値がはっきり見える成分分析表』と『成分に影響を与える項目(加水などの有無)』の写真をお送りください。
写真は可能な限り、リサイズせず、オリジナルサイズのままお送りください。

番号
県市
基本情報
成分表1
成分表2
成分表3
成分表4
成分表5
総評
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